トライアングル~永遠を君と~
*思い出 part.2
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それは突然だった。
「みう、僕中学受験する」
私たちの行く中学校は小学校から歩いて5分くらい。
けっこう近くにあって、登校中にも制服姿のお姉ちゃんやお兄ちゃんをよく見る。
でも、中学受験をするならたぶんこの市を出るんだろう。
いわゆる田舎にあたるここには中高一貫のような大きな学校がないから。
「どうして…?」
中学も、高校も。
アキくんとはずっと一緒だと思ってたのに。
「夢を、叶えるため」
そう言うアキくんはなんだかいつもよりかっこよく見えて。
「夢…?」
私が聞き返すと、アキくんは教えてくれた。
幼い少年の、大きな夢。
「僕、医者になりたいんだ」