トライアングル~永遠を君と~
深雨先輩と高校で初めて会話したのは、春の階段での出来事。
まさか、あんな形できっかけを持てるなんて思わなかったんだ。
でも、深雨先輩のことを知ったのはもっと前。
中3の夏、苑芽学園の体験入学のことだった。
「あ、やばっ」
そのときの僕はどうもうっかりしてたようで、いつの間にかカバンに付けていたお守りを落としていたのだ。
「秀一、どうかしたか?」
同じ中学で、一緒に来ていたのは森田と僕とあと2人。
その2人は…まぁ、学年でも有名なカップルで。