Love Song
「昨日。俺らがライブの間に、世の中は大変なことになってたらしいぜ」

「簡潔に言えよ」


もったいぶる拓斗にイライラしながら、僕は促す。


「木下、さっきの見せて」


拓斗はマネジャーに言う。


マネジャーはテレビを付け、何かのＤＶＤを再生する。


それはFreiheitも、よく出演している歌番組で、、、


いつものように番組が始まる。


「今日の１曲目は、新しいメンバーを加えた、新パロールのＴＶ初披露の新曲です」


アナウンサーの言葉の後、映し出された人物に、、、


僕は、ただ呆然に見つめる。


そして、流れ出すメロディに、、、


ゆっくりと瞳を閉じた。


この曲を誰が作ったかなんて、聞かなくてもわかる。


、、、ａｉｒａだ。


こんな僕の心を動かすメロディを生み出す人間は、あの人しかいない。

< 102 / 170 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop