Love Song
初音は持っていた鞄の中から、手帳を取り出す。


そして、愛莉が今生活している部屋の住所を書き、來愛へと手渡す。


「愛莉は今、ここで暮らしてる。愛莉に会いたいなら、ここに行きなさい」

「良いんですか?」


來愛は、初音に確認する。


「愛莉にはあなたが必要で、あなたにも愛莉を必要なんでしょ?あ、でも愛莉のことを泣かせたら、許さないから」


初音は最後に脅しとでも言えるような言葉を残し、Freiheitの元を後にした。


後は、愛莉と彼の問題。


これ以上、自分が入り込んで良い問題じゃない。


そう、初音は自分自身に言い聞かせた。


そして愛莉が戻ってくるのを、元居た席で待つことにした。

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