好きで悪いか!
 それって、今しなきゃいけない話?
 後ですればいいじゃん、付き合ってんだから。こそこそ私の悪口言ってたりしないよね?

 超ネガティブ被害妄想モードに陥りながら、世界史のノートをまとめる。

 シュメール人が、ティグリス川・ユーフラテス川下流にウル、ウルク、ラガシュなどの多数の都市国家を形成した、なるほどなるほど。
 カタカナ多すぎ、全く頭に入ってこない。

 まずはシュメール人をキャラ化してみよう。サイヤ人的な。そんでもって呪文唱えたら国家が形成できちゃうんだよ。
 ウル、ウルク、ラガシュ! どどーん、みたいなさ。
 そうだ、シュメール人は魔道師って設定で。楔形文字を発明し、呪文を粘土板に記す。ウル、ウルク、ラガッシュ! どどーん!
 アッカド人がやってきて、言う。次は俺たちの時代だぜ。去れ。と、サルゴン1世登場。

 よし、なかなか楽しくなってきたな。メソポタミア文明。
 ここまで漫画にしてみよう。

 カリカリ、カリカリ。
 チビキャラ化したシュメール人と、アッカド人、サルゴン1世をペン書きする。
 それに歴史的な注釈を書き込んでいって、大事なところは色付けする。


 一息吐いたところで、先輩から声をかけられた。

「古賀さん、そろそろお開きにしようか。もうお昼だし」


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