好きで悪いか!
「英語は、とにかくどれだけ単語を覚えてるか、だからね。文法云々以前に、まず単語が分かんないとね。効果的な暗記法、教えてあげる。脳は、運動してるときのほうが活性化するから。だからただ目で見るより、書いたほうが覚えるっていう理屈、当てはまるよね? もっと言うと、ただ書くよりも歩いたほうが覚える。だから俺は、いつも散歩しながら英単語暗記してるの。古賀さんもしてみて」
「えっ、散歩しながらって。参考書読みながら、ですか!?」
「あ、ううん。家出る前に一通りは覚えておいて、脳内でその復習をするって感じ。一応、単語帳はポケットに忍ばせておいて、あっ忘れてるなと思ったときには、確認するの。できれば、一つの単語帳を、一つの決まった散歩コースで復習しきれる配分にね、しとくといいよ。景色と、特定の単語を記憶に結びつかせるために。って言ってる意味、分かる?」
「うー……何となく……分かるような……」
気はするけど、自分の頭では出来ない気がする。
それって先輩みたいに元から賢い人じゃないと、出来ないんじゃなかろうか。
はなから弱腰の私に、先輩はくすりと笑った。
「じゃあ一回、一緒にやってみる? 散歩暗記法。っていっても今は暑いから、早朝か、陽が落ちてからになっちゃうかあ」
誘っておいてすぐに引きそうになる先輩に、慌てて食い付いた。
「先輩はいつしてるんですか? 先輩の時間に合わせます。お供させてください!」
「えっ、散歩しながらって。参考書読みながら、ですか!?」
「あ、ううん。家出る前に一通りは覚えておいて、脳内でその復習をするって感じ。一応、単語帳はポケットに忍ばせておいて、あっ忘れてるなと思ったときには、確認するの。できれば、一つの単語帳を、一つの決まった散歩コースで復習しきれる配分にね、しとくといいよ。景色と、特定の単語を記憶に結びつかせるために。って言ってる意味、分かる?」
「うー……何となく……分かるような……」
気はするけど、自分の頭では出来ない気がする。
それって先輩みたいに元から賢い人じゃないと、出来ないんじゃなかろうか。
はなから弱腰の私に、先輩はくすりと笑った。
「じゃあ一回、一緒にやってみる? 散歩暗記法。っていっても今は暑いから、早朝か、陽が落ちてからになっちゃうかあ」
誘っておいてすぐに引きそうになる先輩に、慌てて食い付いた。
「先輩はいつしてるんですか? 先輩の時間に合わせます。お供させてください!」