好きで悪いか!
橋本優菜、都市銀行の支店長の娘。
見た目は清楚系だけど、性格はミーハー。某アイドルグループの追っかけをしている。
瀬名美希は老舗和菓子屋の娘。
一見おっとりとしているように見えて、活動的だ。一年生にして、スイーツ部というものを立ち上げ、部長をしている。
セレブ風を吹かせているクラスメイトも多い中、庶民派の二人は親しみやすくて、自然と仲良くなった。
「おはよ、みやび。すごい噂になってるよ! 知ってる?」
捲くしたてる勢いで、だけど声のトーンをぐっと絞って、優菜が顔を寄せてきた。
ただならぬ予感。
「えっ、噂って?」
「夏休み中、友永先輩と密会してたって……本当!?」
「密会って……」
言うのかな?
会ったという既成事実はある。
それをどう説明しようかと迷っていると、さらに優菜が捲し立てた。
「県立図書館近くで、先輩がみやびと、らぶらぶ相合傘して歩いてるとこ、見たって目撃情報。まことしやかに流れてるんだけど。てか、写メが流れてるって。途中で上から圧力かかって、止まったらしいけど。三年女子のほとんどには回ってるって」
見た目は清楚系だけど、性格はミーハー。某アイドルグループの追っかけをしている。
瀬名美希は老舗和菓子屋の娘。
一見おっとりとしているように見えて、活動的だ。一年生にして、スイーツ部というものを立ち上げ、部長をしている。
セレブ風を吹かせているクラスメイトも多い中、庶民派の二人は親しみやすくて、自然と仲良くなった。
「おはよ、みやび。すごい噂になってるよ! 知ってる?」
捲くしたてる勢いで、だけど声のトーンをぐっと絞って、優菜が顔を寄せてきた。
ただならぬ予感。
「えっ、噂って?」
「夏休み中、友永先輩と密会してたって……本当!?」
「密会って……」
言うのかな?
会ったという既成事実はある。
それをどう説明しようかと迷っていると、さらに優菜が捲し立てた。
「県立図書館近くで、先輩がみやびと、らぶらぶ相合傘して歩いてるとこ、見たって目撃情報。まことしやかに流れてるんだけど。てか、写メが流れてるって。途中で上から圧力かかって、止まったらしいけど。三年女子のほとんどには回ってるって」