好きで悪いか!
調子のいい隣人に送られて、家に到着。
二十軒ほど並び建つ住宅街の一角。停められた自転車から降りて、前カゴから荷物を取る。
「ありがと。またよろしくね」
「あ、待って。あのさあ」
思い立ったように、雅紀が引き留めた。
「失恋したって言ったじゃん。俺と付き合わねえ? 明日から夏休みだし」
は?
思わずフリーズして、雅紀を見つめ返した。
汗だくで、シャツが少し透けている。ああ、そうか
「暑さでヤラれた?」
「アホ。人が真剣に告ってんのに、茶化すなよ」
ちょっと待ってちょっと待って。真剣に告ってんの?
それにしては、胸に響くものがない。
「明日から夏休みだしって、何?」
「暇じゃん。それに、夏と言えばー? フェスにビーチに、海に、花火にスイカだろ。そんな楽しいイベント目白押しの夏にシングルって、青春損してる気しねえ?」
あまりのリア充思考に、呆気に取られた。
言いたいことは分かる、けどそれって
「要は、夏イベ楽しめるなら誰でもいいってことでしょ? じゃあ、他当たりなよ。私はいいよ、シングルで。先輩と会えない夏休みは、ひたすらバイトするって決めてるから」
そこまで言って、はたと思った。こいつ夏休み満喫する気満々だけど、軍資金あんの?
「雅紀も暇ならバイトしなよ。暇だからって、適当な相手と付き合ったって、楽しくないと思うよ」
二十軒ほど並び建つ住宅街の一角。停められた自転車から降りて、前カゴから荷物を取る。
「ありがと。またよろしくね」
「あ、待って。あのさあ」
思い立ったように、雅紀が引き留めた。
「失恋したって言ったじゃん。俺と付き合わねえ? 明日から夏休みだし」
は?
思わずフリーズして、雅紀を見つめ返した。
汗だくで、シャツが少し透けている。ああ、そうか
「暑さでヤラれた?」
「アホ。人が真剣に告ってんのに、茶化すなよ」
ちょっと待ってちょっと待って。真剣に告ってんの?
それにしては、胸に響くものがない。
「明日から夏休みだしって、何?」
「暇じゃん。それに、夏と言えばー? フェスにビーチに、海に、花火にスイカだろ。そんな楽しいイベント目白押しの夏にシングルって、青春損してる気しねえ?」
あまりのリア充思考に、呆気に取られた。
言いたいことは分かる、けどそれって
「要は、夏イベ楽しめるなら誰でもいいってことでしょ? じゃあ、他当たりなよ。私はいいよ、シングルで。先輩と会えない夏休みは、ひたすらバイトするって決めてるから」
そこまで言って、はたと思った。こいつ夏休み満喫する気満々だけど、軍資金あんの?
「雅紀も暇ならバイトしなよ。暇だからって、適当な相手と付き合ったって、楽しくないと思うよ」