アイドルとボディガード
「な、何?」
突然のことに狼狽える千遥。
俺は容赦なくそのまま押し倒し、その手を頭上に上げ抵抗できないようにした。
「セックスなんて誰とでもできんだろ?」
俺の下で暴れる華奢な体を組み敷き、耳元でそう言ってやると顔を真っ赤にして足をジタバタさせて抵抗した。
「やだ、やめて、嘘でしょ……っ!?」
白い首筋に口づけて、スカートの中の太ももに手を置いた。
悲鳴にはやがて怒声が交じり始めた。
「いやっ、やめて、やだってば!ふざけんな!」
「別に誰とやっても一緒なんだろ?」
「だからってなんであんたと……っ」
顔を真っ赤にして泣き叫ぶ。
しかし、俺は手を止めるつもりはない。
片手で千遥のシャツのボタンを上から外していく。
ぷちん、ぷちん、一つ、二つ、三つ、と外されていくボタンに千遥の顔が青ざめる。
「やだ、やだ、やめてよ。お願いやめて……っ」
必死に抵抗していた千遥がしんと静かになり、本気で泣き始めたところで手を止めた。
両手を拘束していた手を離すと、千遥はその場でうずくまった。
「できねぇじゃん」
「できる……っ、枕はやる」
「へー、続けるって?」
再度手を取ると、すぐさま悲鳴を上げふり払う。
「やだ、やだ!やめて」
「本当にどうしようもねぇな……」
俺はそうボヤくとため息をついた。
そこへ、藤川さんが部屋へ入ってきた。
千遥の乱れた服と泣き顔に何事かと心配そうに聞く。
「ど、どうしたのっ?」
「こいつ、」
「だめ!やめて!言わないで……っ」
さっきより更に声を張り上げ泣きながら訴える。
「枕やるってさ」
だけど俺は非情にも真実を告げる。
すると、藤川さんの顔は今までに見たことのない位悲しい顔をした。
「だめだ、千遥。絶対だめだ!お前はまだ高校生なんだぞ!」
千遥の両手首を掴んで、怒気を込めながら必死に千遥を諭す。
「そんなことしたら絶対後悔する。頼むからそんなこと言わないでくれ。俺が頑張って仕事取ってくるから」
そんな説得も空しく、千遥には聞き入られない。
千遥にとってこの際、自分の体なんてどうでもいいのだろう。
本当にどうしようもねぇな。
「お前情けなくねぇの?マネージャーに仕事取ってくるって言われたり、体売って仕事もらおうとしたり。人から仕事もらって本当に満足か?お前のプライドってそんなもんなのかよ」
わざとこいつのプライドをさかなでることを言う。
「自分で仕事取りに行けよ、まだ諦めんの早いだろ?」
「そうだ下衆な大人達に利用されちゃいけない」
大人二人が懸命に、17才の女の子を説得する。
少しは思いが伝わったのか、いつものような反論はなく大人しくなった千遥。