アイドルとボディガード
爺さんは寝ている。
秘書は風呂。
……できすぎか。
これは罠かもしれない。
だけどこんなチャンス逃したら……
意を決して、脱衣所に忍び込もうとしたところ、
「お前の狙いはコレか?」
薄暗い廊下、金庫の鍵を持った爺さんに声をかけられる。
終わった……。
もうこうなったらどんな言い逃れもできない。
「桐生、何があったかは知らないが、これは紛れもない裏切り行為だ」
見張っていたかのように黒服の男達が出てきて羽交い絞めにされる。
「実は、匿名でな。うちのボディガードが何か企んでいるから行動に注意した方がいいって電話があったんだ」
なるほど、はなっから俺を陥れようとしてたのか。
全て、あいつの手の内だったってこと。
まんまと踊らされたって訳だ。
「まさかとは思ったが、がっかりだよ桐生」