枯れない花





『ごめん。ゆうと、遅れて…』


私は、わざと遅れてきた。



『いいよ…

 前会ったときより、痩せたね。』


『そう?

 実は、会社に行こうかなって。』


『もう、行って大丈夫なの?』


『うん…

 それより、咲希のことわかったんで

 しょ?』


『うん…。』


『どうしたの?』 


『あ、いや…

 本当に言っていいのかな…』


『いいって。

 じらさないでよ。』



『この事を言ってしまったら…

 何か、変わってしまいそうで…』


『変わる?』
 

『会えなくなりそうで…


 怖い…』


『大丈夫だって!

 何も変わらないよ!

 ゆうと、早く言って!』




ゆうとが言いたくないというのは分かる。

顔も暗くなって。






 


< 100 / 111 >

この作品をシェア

pagetop