キミとひとつになれたら
「さぁ、傷の消毒をしようか」
彼の手には救急箱が。
これくらいの傷……。
「消毒なんて大袈裟だよ。放っておいても治るよ……」
「ダメ。女の子でしょ?自分の体、大事にしなきゃ」
あぁ、本当に王子様みたい。
まるで私をお姫様のように扱うのね。
「少し、染みるよ」
私の前に立て膝をついた彼は、消毒液の染みた脱脂綿を私の足にそっと当てた。
そして丁寧に包帯が巻かれた。
「包帯なんて…大袈裟過ぎ」
「いいからいいから。ココアのお代わり、持ってくるね」
カップを持って、四ノ宮くんは部屋を出て行った。
冷たい夜になるだろうなって思ってたのに…こんな展開になるなんて…。