キミとひとつになれたら
甘いベットで
「お待たせ、河瀬さん。これ、よかったら食べて。近所の洋菓子屋さんで買った焼き菓子だよ」
「ありがとう……」
四ノ宮くんは私の隣に座った。
しかも、
「あの…、近いんだけど」
「そう?」
何故か妙に、私にピッタリくっついてる。
「それにしても、僕は本当に運がいいね」
「…どういう事?」
彼は得意気に語りだした。
「僕があそこを通りがかったのは本当にたまたまだった。ただ何気なく散歩してただけだった。でもそのおかげで偶然河瀬さんに会えたから、結果オーライだね」
こんな時間に、散歩?
私の心を読み取ったのか、
「家にいるのが、なんか嫌だったからさ…」
と付け加えた。
「だからこれって、ある意味運命なのかもね」
四ノ宮くんはそう言って、膝の上の私の手に自分の手を重ねた。
「なんか、違う……」
「ん?」
「四ノ宮くんって、私が思ってた人と違う…」
だって私のイメージでは、彼はみんなから信頼される学級委員長で、成績優秀、運動もできて……。
私とは違って、本当に完璧。
スラッと高い身長。
尚且つ、可愛らしい顔。
優しくて、落ち着いた性格で…例えるなら、まさに漫画に出てくるような王子様。