キミとひとつになれたら
「どんなイメージを持ってたの?」
「落ち着いてて、成績優秀で優しくて、爽やかな…王子様?」
「……僕が、王子様?」
四ノ宮くんが、鼻で笑った。
馬鹿にしたみたいに。
「だって…私の中では、そういうイメージなんだもん」
笑われて、ちょっとムッとして、キツめの口調になった。
「僕は王子様なんかじゃないよ」
「だろうね。じっくり話してみると、意外と軽い人なのかなって思った…」
「軽い?そうかな…?」
自覚なしなの?
学校で、クラスの子に接してる態度とは少し違う気がするんだけど。
「まぁそりゃあさ、クラスの人とは一定の距離を取ってるよ?特に女の子とはね。だって、勘違いさせたくないじゃん?面倒だから」
少しだけ、口調が変わった。
やや低く、冷たい声。
私の知ってる彼じゃない。
「だったら……わ、私に、こんな事したら…」
ここまで優しくされたら、女の子は勘違いするかもしれない。
なのに、どうして?
「河瀬さんはいいんだよ」
「え……」
「キミは、特別だから……」
彼は口角を上げて、ニヤッと怪しく微笑んだ。