キミとひとつになれたら




ずっと、見てた。


彼は本当に、ずっと私を。





スーッと頬を、一筋の涙が伝った。


何の涙か、理由は自分でも不明。






「小春ちゃんのためにね、可愛い服、買ってきたんだ。……まさかその間に、この部屋を見られるなんてね」



舐め回すように、見つめる視線。


笑みが、怖い。






「小春ちゃんの可愛い寝顔も、バッチリ撮っておいたよ」



スッと手が伸びてきた。


頬に置かれた手。



その手は冷たい。





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