キミとひとつになれたら




2階の部屋に入るなり、ドアにもたれかかったまま、ズルズルとその場に座り込んだ。




「っ……もう…嫌っ…」



抑えていた、
震えと吐き気。
それが急に押し寄せてきた。






とうとう目の前で、見てしまった。



人が死ぬ瞬間。
惨殺される瞬間を……。







「もう…嫌……。ヤダよ……」




ボロボロと、涙が出てきた。






怖い、と思った。
平気で犯罪を犯す彼が。
自分の親だろうと平気で残酷に殺す彼を。





恐ろしいと思った。



彼に対して、“怖い”としか思えなくなった。




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