キミとひとつになれたら
嫌!!帰りたくないっ……!!
彼に背を向け、急いで走り出そうとした。
「んー!!」
その矢先、後ろから彼に右手で口を塞がれ、もう片方の手は私のお腹にしっかりと回された。
「んっ…んー!!んんっ…」
「静かにして。……小春ちゃん、愛の傷…ありがとね」
愛の、傷…?
何…それ……。
「けど、やる事が甘いね。あんな刺し傷、どうって事ないよ」
「っ……!!」
「あんな浅くしか刺せないなんて、小春ちゃんはやっぱ優しい女神だね」
信じられないっ……!!
私が刺して怪我したはずなのに……。
こんなに、平気そうにしてるなんて。
「さぁ、小春ちゃん。早くここから」
「っ……」
私は、爪で思い切り口を塞いでる四ノ宮くんの右手を引っ掻いた。