キミとひとつになれたら
「小春ちゃん、ちょっとごめん」
四ノ宮くんは、悪口を言ってた女子の方へ歩み寄り、
「……」
無言で、私をブスと言ってた方の子の髪の毛を掴んで、引っ張った。
「いっ…痛い!!痛いってば……」
当然その子は痛がってる。
でも四ノ宮くんはお構いなしで、平然としてる。
「小春ちゃんに失礼な事言ってんじゃねぇよ。このドブス」
……今まで聞いた事がないトーンの声。
乱暴な口調。
今のは本当に、彼の発言なんだろうか?
「すっ…すみま、せんっ……」
その子は泣きながら謝っていた。
満足したのか、その子の髪の毛を乱暴に離し、彼は…、
「お待たせ。行こうか」
平然と、私の元へ戻ってきた。
四ノ宮くんは付き合ってから、以前に増して優しくしてくれるようになった。
でもそれと同時に周囲には冷たくなった気がする。