海賊と人魚姫
プロローグ
17歳の夏、溺れるような恋をした。
【海賊と人魚姫】
「海斗って、絶対、紗羅に気ぃあるよね」
それは正しく、臨海学校の夜のお約束だった。
仲の良い女の子が5人も集まれば、夜はコイバナに花が咲く。
それはあたしの部屋でも、変わりはない。
あんまり恋愛に興味のないあたしも、みんなが楽しそうに話してるのを聞くのは好きだから、わくわく参加してた訳なのだけれど。
いきなり自分に向かってきた暴投に、あたしは一瞬、まぬけに口を開けたまま固まってしまった。
その間にもハルたちは、「海斗は有りだよね」とか「かっこいいもんね」とか盛り上がり始めていて。
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