☆ツンデレハンバーグ☆
―――――お肉売り場―――――
「これか?」
「え…高いよ…」
「そうか?じゃあー…これ。」
「うーん……まぁ合格。」
涼介が選ぶのは高いものばっかり。
金銭感覚どうにかしてるよ。
「あれ…?三郷さん?」
「ん?あ!!青海くん!!」
「こんなところで会うなんて奇遇だね!!」
「そうだね!!」
青海光輝オウミコウキ。
この前まで一緒のクラスだった男子。
それに私の斜め後ろの席だった。(隣は涼介)
いつも明るく話しかけてきてくれて、すごく優しいし、気が利くし…
簡単に言えば、涼介の反対の性格。
幼馴染みが青海くんだったら良かったのに…。
「ホントに久しぶりだね。それに…風村も…」
「……。」
この二人は高1の時から仲があんまりよくないらしい…
同じ班だったけど、いつも睨み合ってた。
「で、涼介はこんな時間に2人でどーしたのかなー?」
青海くんは、わざと『2人で』のところを強調した。
「あ"?」
涼介も負けじと返す。
「なになに?!デートでもしちゃってんの?」
「ちょっと!!冗談やm「…そう。」っ!!」
『冗談やめてよ!!』そう言おうとしたのに…。
それは涼介に遮られた。
「だから、そう。」
「「は?」」
私と青海くんの声が重なる。
「そう。デート。だから関わんじゃねーよ。」
そう言って私をレジへと連れてく涼介。
「ちょっと涼介!!」
「うるせー。黙れ。」
「っ!!……」
なぜか涼介は機嫌が悪い。
――――ッチ…
私は後ろでの方で舌打ちをしている青海くんに気づかなかった。
「風村涼介…。」
なんとなくそう聞こえて、後ろを振り返ったとき、一瞬。一瞬だけ、青海くんの顔が悪魔みたいに見えた。
でもそのあとはいつものカッコいい顔に戻って、「また一緒のクラスだといいね!!じゃあねー!!」と言っていた。
私も「うん!!」と返した。
そのとき涼介が私のことを睨んでいたとは知らずに…。