僕らの記憶
―…そこは何もない
ただの暗闇。

目の前に、翔太が立っていた。

「翔太!」

「和也」

翔太は俺の顔を見て、酷く顔を歪めた。

「どうして見捨てたんだ?友達じゃ、なかったのか?まあそうか。俺は、ただのいじめられっこのぐずだもんな。」

「ち、違っ…!」

「何が違うんだ?和也はいつも、見て見ぬふり。一度も助けてくれなかった。」

「俺は…ッ!!!」

「やってなければいじめには入らないのか?教師に言わないでその光景を見てるやつらの方が、残酷じゃないか!?」

悲鳴にもにた叫び声をあげて怒鳴る翔太。

突然、息が苦しくなる。

「がっ…しょ…た…ッ」
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