僕らの記憶
目が覚める。

「夢……か」

大量の汗をかき、呼吸困難になるくらいに息が荒い。



一旦ごろんと寝転がり天井を見上げる。



「翔太………ッ」



気付くと涙が溢れていた。

大声をあげて泣きたかった。
でも、親が起きるからやめた。

だけど涙は止まらなかった。
だから、声を殺して泣いた。
今までにないくらい。
ふとんが、涙でびしょびしょになるくらい。



自分でも信じられないくらいに泣いた。
ふとんが、人の涙でこんなに濡れるとも思わなかった。
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