僕らの記憶
次の日の朝。

今日は木曜日。
普通に学校。

支度をすませ、靴を履く。
そして、家を出ようと立ち上がる。



………………?

「ぁ……あれ…?」






立てない。
足が震えて、立つことができない。



その時、母が後ろから話しかけてきた。

「なにしてんの早くしなさい!遅刻するでしょ」

「いや、まだそんな時間じゃねぇし…」

「だったら、なにしてんの?」

「足が……震えて、立てない」



表情をわざと明るくして言ったつもりだったが、実際には酷い顔をしていたのか、母は

「どうしたの?…大丈夫?あんた、休んだ方がいいんじゃない?」
と、酷く心配したように言う。

俺は、あわてて否定し、立とうとする。
でも、なかなか足に力が入らない。

「いやいや、大丈夫だろッ…」

でも、母は逆にもっと心配したらしく、
「やめなさい。立てないのに、どうやって学校いくの?…………休みなさい。」
と言って、俺を部屋に運んだ。

母が真剣な目で見てきたから、くちごたえできなかった。

「1日ちゃんと休んでなさいよー?」


「うん…」


俺は、また寝ることにした。
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