僕らの記憶
強い雨が降る中、傘を指して歩み始める。

今日は、早く家に帰りたい。

今は、何も考えたくない。

「立河くん」

そんなことを考えていたら、後ろから落ち着いていて透き通った声が聞こえた。

「だから和也でいいってば…」

「あぁ、ごめん。和也くん」

俺に話しかけてきた奴は、男子学級委員の古川泉。

整った顔立ちと、四角い眼鏡が印象的だ。

ちなみに、泉はいじめに参加していなかった。

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