涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜
俯せに倒れている。
右足首がひどく痛み、起き上がれない。
捻挫してしまったようだ。
みんなの敵意をひしひし感じて、怖くて体は震えている。
「潮音ちゃん!!」
上條君が、駆け寄ってくれた。
私の体を支え、座らせてくれた。
その時ハッと気付いた。
Tシャツの胸元が、大きく裂けていることに。
クラスTシャツは安物で、紺が青に見えるくらい生地が薄い。
あちこちから思い切り引っ張られ、
ブラジャーが丸見えになるほど、鉤裂きに裂けていた。
足首も相当痛いが、私にとってそっちの方が一大事だ。
慌てて両手で胸を隠し、小さく丸まる。
上條君は、それに気付いていないようだ。
ギュッと小さくなる私を、しきりに心配してくれた。