涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜
 


私の反応はそんな感じだけど、学校に行くとどうなるだろう。


みんなの驚く様子を想像し、つい笑ってしまった。



「笑ったろ?」
「笑ってないよ!」

そんな言い合いしながら、海まで並んで歩く。



砂浜で夕凪は、着ているTシャツを脱いだ。


「持っていて」と、それを私にポンと投げた。



こういうのも随分久しぶりで、心の底から嬉しく思った。


夕凪のTシャツを、ギュッと胸に抱きしめる。



目の前にはサーフパンツ一枚で、美しく筋肉のついた夕凪の体が。


見慣れているはずなのに、今日は胸が煩く騒いだ。


その気持ちは、昨日を境に恋人関係になったのだと、意識するせいかも知れない。



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