涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜
 


「あのね……」



その後の言葉が続かない。


上條君について夕凪に相談するのは、間違っている気がした。



私が言わなくても、夕凪は感じてくれた。


私の頭をポンポン叩いて通り過ぎ、前を歩く。


後を追う私に、こう言ってくれた。



「心配すんな。上條には、俺が説明する。

誤解が解けて、付き合っていることも話す。

それと……

俺のせいでアイツを振り回した形になったから、謝らねぇと……」




夕凪が先頭で、教室に入る。


クラスメイト達の視線が向いて、まずは大爆笑が起きた。



男子達が夕凪に群がる。



「金髪の次は、坊主かよっ!
それ、ギャグか!?ギャハハ、腹痛てー!」



< 200 / 378 >

この作品をシェア

pagetop