涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜
「あのね……」
その後の言葉が続かない。
上條君について夕凪に相談するのは、間違っている気がした。
私が言わなくても、夕凪は感じてくれた。
私の頭をポンポン叩いて通り過ぎ、前を歩く。
後を追う私に、こう言ってくれた。
「心配すんな。上條には、俺が説明する。
誤解が解けて、付き合っていることも話す。
それと……
俺のせいでアイツを振り回した形になったから、謝らねぇと……」
夕凪が先頭で、教室に入る。
クラスメイト達の視線が向いて、まずは大爆笑が起きた。
男子達が夕凪に群がる。
「金髪の次は、坊主かよっ!
それ、ギャグか!?ギャハハ、腹痛てー!」