涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜
クラスメイトの半分ほどが登校していた。
次々と教室に入ってくる生徒達も、夕凪を見て驚くから、
中々騒ぎが収まらない。
「貝原の昨日に、何があったんだよー!
ピアスもやめたのか?
お前が制服のネクタイ付けてるとこ、初めて見たわー」
夕凪の周りは賑やかで、
私は自分の席からそれを見守っていた。
加奈も驚いていた。
驚きと興味津々の顔して、私に駆け寄る。
「貝原君、どうしたの?
もしかして、潮音と上條君がくっついて、ヤケになったの?
ヤケで坊主頭というのも、変だけど」
加奈には昨日、上條君と付き合うつもりと話していたから、まだ誤解していた。
「えーと……
色々あって、上條君とは付き合ってなくて……」
どう説明すればいいのか。
昨日に変化があり過ぎて、説明に困ってしまう。
そこに、上條君が登校してきた。
夕凪の周りは人だかり。
上條君もチラリと視線を夕凪に流し……
驚いて二度見した。