涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜
上條君は言い当てた。
金髪をやめたことから、それを推測したみたい。
夕凪は人のいない場所で説明するつもりだったのに、
教室内でハッキリ言われて、戸惑っていた。
上條君の言葉で、クラスがもっと騒がしくなる。
みんなの視線と、小声にならないヒソヒソ声が、
私達三人の間を飛び交っていた。
私は立ち上がる。
急いで二人の所に駆け寄った。
大注目の中で物凄く恥ずかしいけど、
夕凪だけに説明責任を押し付けてはいけないと思っていた。
「あ、あの、昨日ね……」
勇気を出して口を開いたのに、上條君に遮られた。
「分かったから、もういいよ。
潮音ちゃん、良かったね。
これで本当に、諦めなきゃいけないのか……」
上條君は笑ってくれなかった。
口から溜息がもれている。
彼にこんな顔をさせているのは、
私……
心が苦しくて、
ブラウスの胸元をギュッと握りしめた。