また、
恵美は俺の理解者だ。
普通でいたいと言う俺を急かしもしなければ自分色にしようともしない。
唯一の要求である禁煙は恵美がどうしてもタバコだけは無理だからって理由。
付き合う前はただの女友達で付き合った理由は面倒じゃないし、普通の男に普通の彼女がいてもいいと思ったからだ。
ただそれだけでしかなかった。

「恵美チャーン」
「水倉、どうしたの?」
休み時間に行きなりの来訪は直の親友の水倉だった。
さわやかな笑顔で教室に入ってくる。
友達はきゃっきゃしている。
水倉はサッカー部で運動ができるし面白く、なんといってもそのさわやかな笑顔で人気だった。
友達の由梨香も弘子もやっぱり水倉が好きで賢斗君賢斗君うるさいぐらい。
それが理由で私は水倉の横にいた直を見つけたんだけど。
「直平気だった?」
どうやら私が保健室につれていったのを知っているらしい。
「眠そうだったけど、平気じゃないの?」
「いやさ、直珍しくマジで具合悪いらしくてさ。」
「そうなの?利用者名簿にサボりって書いちゃった!」
水倉は苦笑いをしながら可哀想とぼやいた。
相変わらずさわやかだ。
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