また、
「とりあえず一度寝たら中々起きないし、昼休みぐらいにまた行ってあげて。」
「わかったー。」
直本当に具合悪かったんだ。
水倉は用事が終わったらしく、由利香と弘子にさわやかな笑顔を向け次の試合がいつかとか差し入れが美味しかったとか話していた。
私は水倉に興味はない。
だからさっぱりとした友達関係を続けている。
周りに羨ましいとよく言われるけれど、私からしてみれば男友達の一人。
やっぱりさわやかな水倉を見て直のがいいとか思っている私はバカでしかない。
タバコさえ吸わなければすごくいい男なのに。

祖父がヘビースモーカーだった。
肺癌になってもタバコを吸い、祖父は亡くなった。
それから私はタバコが大嫌い。
長く一緒にいたいからわざわざ寿命なんか縮めてほしくない。
なんで普通を求めて普通に生きてる直が吸うかわからない。
直は普通よりも不良だっていっつも思う。
風紀検査じゃひっかかるし呼び出しもたくさん。
私から見れば私の方がずっと普通。
少なくとも直よりは。
でも直はちっとも普通じゃないなんて認めない。
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