また、
それから覚えているのは違和感。
父親と母親、それから自分の名前は高砂幹也だと言うことだ。おかしな話でどうやら生まれ変わったらしい。
精神は桜庭弘平が残っていて、細かな部分は抜けているが翔平のことは覚えていた。俺は翔平を愛するためにまた産まれたのだとしたら翔平は絶対にこの世界にいる。
俺は言葉が話せるようになった時に父親と母親にこの事実を告げた。最初は相手にしなかったが買い与えられたクレヨンで知識を披露し、覚えていた事件を話した。
父親は桜庭弘平が俺の誕生日に死んでいた事実をつかみ、何も言わなくなった。母親は笑って『幹也がその為に産まれたのならば翔平くんに早く会いに行かなきゃね』と言った。
それから父親は翔平を探すといい、俺の事例を元に相田翔平が死んだ直後に産まれた子を探した。俺みたいに記憶が残っていればすぐ見つかると考えたらしい。
母親は俺が話すことをノートにすべて書いた。いずれ俺が忘れてしまったら思い出せるようにと。
俺はせめてもと思い、知識をいかして将来親に楽をさせようと思った。今幹也として生きるより弘平として生きている俺を大切にしてくれる親なんて他にはいない。
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