また、
噂なんてものはすぐおさまる。
みんな忘れていく。
普段通りの生活が戻る。
でも弘平と目を合わせることはなかった。
たまに弘平が俺を見ていたが俺は見ないようにした。
弘平に嫌われているから。
気持ち悪いぐらい女々しい。
しかしいつまでもそっけない態度が許されるわけもなく。
突然の事だった。
教室に弘平が来た。
イライラしてた。
むしゃくしゃしていて乱暴に俺の名前を呼ぶ。
「翔平!」
「・・・な、なんだよ?どうしたんだよ。」
質問には答えずに弘平は俺の腕を掴み、ズカズカと歩き出した。
乱暴に使われていない教室に押し込まれた俺。
壁に押さえつけられてまっすぐ目を見たら動揺したような激しく怒っているような目をしていた。
「痛っ!なんなんだよ!」
「なぁ、いつまで避けてんだよ?」
「うるせぇ!離せ!」
「俺が何したんだよ!」
「何むしゃくしゃしてんだよ!」
「なぁ、」
「頭冷やせ!」
「お前、・・・マジでホモなのか?」
冷たくなる腕、血がひく感覚、涙があふれそうになる。
精一杯の蹴りを弘平に喰らわせた。
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