また、
不思議な感じの妹は俺の変な場所まで軽蔑せずに認めてくれた。
俺は考えた。
弘平とのことも全部。
結局一晩悩んで眠れずに学校に行く羽目になった。

ぼーっとしながら登校していた。
弘平に謝らなきゃいけないとか噂のこととかたくさん。
子孫を残すために恋愛をするんじゃないと言う彩の言葉が耳に残る。
俺は足が止まった。
なぜなら弘平が目の前にいたからだ。
今までの考えは全てショートして目を見開き心臓が限界まで動いているのが分かる。
「おはよ。」
弘平の声。
「おはよう。」
俺は声を絞りだした。
「なぁ、翔平。昨日は悪かった。」
「別にいいよ。」
「お前がホモなわけないよな。俺昔っからお前とつるんでるけどそんな感じじゃないもんな!」
「そうだね。」
我ながらそっけない返事。
「俺、ホモとかレズとか無理なんだよね。」
「そうなんだ。知らなかったよ。」
俺の世界は一気に崩れた。

人間は子孫を残すために恋愛をするんじゃない。
これが人間の一つめの特権だ。
俺の世界は脆く崩れた。
真っ暗になるとどうやら頭は冴えるらしい。
俺は人間の二つ目の特権に気付いた。
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