地味女は、伝説の美少女?!
「ねえ。雷……


私と出会ったことは覚えてるの?」



「なんのこと?
いつのことかよ?」



「ここ一ヶ月くらいだよ」




「覚えてない」



「どれくらい前なら覚えてるの?」



「ほとんど、覚えてると思う」



「桜樹と戦ったこと……は?」



「何それ」



「私と出会ってからの……
記憶がないの?」



ガラ



ドアの開く音。



「秋さん!」



「雷、目覚ましたんだ」



「はい。だけど……
記憶が、ないって」



「へ?」



「多分、
私と出会ってからの記憶だけっ!!」



涙が溢れた。



「陽芽ちゃん……」




ぎゅ



秋さんに抱きつかれた。



「え?」



「雷、思いだせよ!思いださなかったら
こいつは俺がもらう」



「秋さん?」




秋さんは耳打ちをして



「冗談」

と笑いながら言った。




「陽芽ちゃん……メガネと三つ編み外しなよ」



「え……あ、つけたままだった」



私はシュルと髪ゴムを外し
メガネも外した。



「雷、覚えてない?」



「……頭、痛てぇ」



雷は頭を押える。



「雷……っ!」



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