少女マンガ×天然少年
…あー…?
「…ーとー、はーやー、と!」
「うぉわっ!?」
薄く目を開けると、女の顔が写って咄嗟に体を起こす。
なんのことはない、目の前にいたのは麻里奈だった。
「ご飯だってよ、食べないの?」
「もうそんな時間?」
一時間は寝てたか?
目を擦りながら時計を見る。
俺ん家の夕飯は、だいたい8時頃から。
これが早いのか遅いのか俺にはわかんねーけど。
「っつか、なんで麻里奈が?」
「今日、二人とも遅いから。隼人ん家でご飯食べさせてもらおーと」
「そーなんだ」
まだ頭ぼーっとしてんだけど…。
ふらっと麻里奈と階段を下りる。
「俺、落っこちそう」
「やだぁ、あたし巻き込まないでよー?」
振り返りながら麻里奈が眉を寄せる。
「あー、ゴロゴロ転がるわー…」
「やめてよ」
何て言ってふざけていたら、
「わぁっ!?」
「きゃっ!?」
足をひっかけて、麻里奈に抱きついてしまった。
と、俺の全体重が麻里奈にかかるわけで…。
「ひゃっ、ちょ、はや、」
ぐらっと傾く体。
「「ぎゃぁあぁあああっ!!」」
どんっ!
二人して階段を転げ落ちた。
幸いなのは、残りの段数が少なかったこと。
「いってぇ…」
「いたぁ…」
カチャ、とリビングの扉が開き、妹が顔を出した。