少女マンガ×天然少年
「ねぇ、おにーちゃん?」
「あに?」
夕食後、部屋でマンガを読んでいるところにやってきたのは、彩乃。
麻里奈はご飯食べてさっさと帰った。
やっぱさっきの気にしてんのかな?
「マンガ、貸してあげるよ」
「は?」
なんで俺が彩乃にマンガ貸りんの?
「ほら、おにーちゃん、彼女ほしいとか言ってたじゃん?」
「それとマンガどういう関係があんの?」
イマイチ噛み合わない会話だな。
「だぁからぁ、少女マンガ読んで、女心を学ぶの!」
忘れてた…、コイツ、少女マンガ大好きなんだっけ…。
体を起こして、ベッドの上であぐらをかく。
「いや、そんなもん現実で役に立つわけが…」
「大アリだよ!」
ばかだろ、俺の妹。
「いっぱい持ってきたから、置いてくね!」
…何て言って、数分後、俺の部屋は甘々な本に埋め尽くされた。
どんだけ買ってんだし、彩乃のやつ。