少女マンガ×天然少年
「うわっ、なにこのマンガの量!しかも少女モノ…。変態にでもなったの?」
「ちがうわ!彩乃のだよ!てか、お前帰ったんじゃなかったの?」
「隼人のお母さんが泊まってけって言うから、スウェットとか取りに戻っただけ」
俺の少し横に腰かけると、タオルでバサバサ拭き始める。
「麻里奈、冷たい…」
髪に残った水が飛んでくる…。
「あー、ごめんごめん」
悪いと思ってないよなその態度!
でも、久しぶりだな…、麻里奈が家泊まりくるとか。
最近は家に誰もいなくても来なかったのに、どういう風の吹き回しだ?
風呂上がったばっかりだからか、麻里奈の頬は赤かった。
なんか、それが可愛い。
「え、なに言ってんの俺!?」
「なにも言ってないと思うけど」
「いや、違う!俺の話!」
やだもう、どうしたんだ俺!?
「最近の少女マンガはエロいなぁー」
!?
気づけば、麻里奈は彩乃が持ってきたマンガを寝っ転がって読んでいた。
「俺のベッドなんだけど?」
「知らなーい」
しかも、髪濡れてるから布団濡れるじゃん…。
あぁもうやだ、なんか変なこと考えちゃう。
てか、なんでこんなに麻里奈は普通なの?
ふわり、とやけにシャンプーの匂いが鼻を抜ける。
さっきのキスは無かったことに…なんて言ったけど、本当に気にしてないのか?
「麻里奈……」
「…きゃ!?」