少女マンガ×天然少年
「ばぁちゃん、じゃぁねー」
「行ってらっしゃい」
俺が手をふると、にこにこと振り返してくれる。
うむ、あのばぁちゃんも、なかなか可愛いんだよな。
「隼人、年齢考えて」
「なんで俺の脳内読んでんだよ」
「もう、顔に書いてあるから」
「そんなわけあるか」
昔っから、俺は感情と表情が一体だの、わかりやすすぎだの、色々言われる。
俺、そんなにわかりやすいかなぁ。
ポーカーフェイスとかまじ向かないよなぁ。
「あ、おは、よう!村山さんと水原くんだよね!」
校門をくぐろうとすると、突然後ろから声をかけられた。
麻里奈と目を合わせ、"俺たち?"と視線を交わし、振り向いた。
そこには、小柄で、いかにも大人しそうな子がいた。
おぉ、可愛い!!
「だから、顔に出てるっつの」
隣の幼馴染みに突っ込まれたのも気にせず、
その子に挨拶を返す。
「おはよ!えーと…」
「ごめんなさい、突然!私、小日向 莉舞っていいます!」
「リマ?珍しい名前だな」
若干、ラマみたいだよな。←ひどい
「漢字はどうやって書くの?」
ずいっと、俺とリマの間に入る麻里奈。
「えぇ、と、利用の利の上に草冠がつくのと、舞うって字を書きます」
莉舞、か。
よくよく見れば、この子すごい可愛いし俺好み!
セミロングの少し茶色の髪とぱっちりした目が魅力的だ。
「やだ、莉舞、超可愛いっ!あたしのことも、麻里奈って呼んでいいから!」
そう言うなり、ぎゅっと莉舞に抱きつく。
…身長差、20cmは、あるか?