少女マンガ×天然少年
「え?有岡先輩のこと?」
教室に行ってから、先輩について聞いてみた。
ニヤニヤし出した麻里奈が気持ち悪くてしょうがない。
「有岡佑太っていうの。昨日言ったじゃん~」
「あんままともに聞いてねーもん」
なんか無性にイライラしてな。
「生徒会役員で、イケメンで、ついでに水泳部の部長!カッコよすぎ!」
呆れるほどの完璧さだな。
そんなやつがほんとにいるのか。
「そんなやつがお前と仲良くなってくれたの?」
「そーよ!昨日、めっちゃアピールしちゃった」
同学年で惚れてる人も大勢いるだろうなぁ。
なのに、麻里奈がそんな初日からでしゃばっちゃって大丈夫なのか?
ありがちな、いじめとか。
まぁ麻里奈なら自分でどうにかしそうだけど。
「もう入部届けだそうかなぁ~」
頬杖をつきながら、幸せそうな顔をする麻里奈。
「昨日しか行ってないのに?」
「だって最初から入るつもりだし?」
「ふぅん……」
改めて思うけど、麻里奈ってしっかり者ってか、大人だよなぁ。
なんでもパッと決めて、こなしてく。
俺も負けたくない。
「俺、弓道部入っ……」
「おはよー」
「あ、おはよう、ナツメくん」
「ちくしょう、なんなんだよ、ナツメ!」
俺の台詞を割るな!