2つのクローバー
ワイワイガヤガヤ…



新学期、今年もまた桜の季節が来た。




私は、及川美鶴(オイカワミツル)。





正直、友達なんか出来ないし、いない。







…あ、でも2人だけいたな。






『美鶴!』




『あ、雪!今年も同じクラスなんだ。』






話しかけてきたのは、友達の2人の内の1人、石川雪(イシカワユキ)。





私には勿体ないくらいの可愛い友達。









『そういえば彼奴は?』





『ん?あれ、そういえば見てないね。別のクラスなのかな?』






私が聞きたいことを雪に聞いたが、雪も知らないようだ。








キーンコーンカーンコーン…








『あ、じゃあ、また後でね!』




そう言って雪は席に着いたと同時に乱暴にドアが開けられた。








『はぁっ、はぁっ、せ、セーフっすか……?』






『残念だったな。遅刻だぞ。』





先生が彼奴の後ろからそう言った。そのすぐ直後に教室にドッと笑いがおきた。








『お、そういや、雪と美鶴もまた同じクラスだな。』







そう言いながら彼奴……いや、桜庭響弥(サクラバキョウヤ)は笑いながら私の隣の席に着いた。







『なんなんだろうね、本当に』




私も笑っていたから、そのまま笑いながら返した。









雪は、響弥の隣の隣の席だ。








…というか早速雪に視線が集まってる……。







可愛いもんね、雪は。








…………でも、前の中学のときみたいにならないかな。









こんな事を考えてる間、先生が話していたが頬杖をついて外を眺めていた。










実は、彼奴がこっちを見てるだなんて知らずに。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop