恋音


テニス部が練習があるとも知らずに、部活に入ってない私は、悠也を教室で待っていた。
思えば荷物があるかないかを見ればいい話だったけれど、
何も考えずに待っていた。

すると、あの大好きな声が私を呼んだ。

「明日香?なにしてんの?」
好きな人には言いたくなかったけれど、素直に答える。

「ん~悠也待ち。」
「悠也なら・・・部活やってたぞ?」
えっと小さく洩らした私に、魁斗は気づかうように、
「一緒に帰るか?」
と言ってくれた。
私は迷わず、『うん』と言った。



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