恋音
キミといたい
二人で歩く道。
急に魁斗が沈黙を破る。
「明日香ってさぁ・・・
悠也好きなの?」
即答できない自分に少し戸惑っていると、
「なんか悩み合ったら・・・言っていいよ。
いつでも聞くから。」
魁斗が好きなことが悩みなのに…
言うのを戸惑っている私をじっと見つめる魁斗の目に、ごまかさせない雰囲気があった。
そして私は決めた。
魁斗に自分の想いを伝えて、
フラれることに。
「うちね・・・好きな人がいるんだわ。」
魁斗は横で静かに聞いている。
「悠也がいるのに…1年の頃からずっとずっと好きな人がいたの・・・
悠也はそれ知ってて付き合ってって言ってくれたの。
けど・・・やっぱりその人が気になって仕方なかった・・・」
「だれなの」
言いたくないんだったらいいけど。と付け足す魁斗に「魁斗」と呼びかける。
ん?と振り返った彼に、想いを伝えた。
「好きです」
こわいと思った瞬間に、
大好きな人に、抱きしめられていた・・・