Entre nous
「こ・い・つ・お・れ・の・か・の・じょ」
そしてあたしの顔を指さす。
「聴こえた?」
「……」
何も思いつかない。
返しの言葉が見つからない。
きっとあたしは動揺してる。
──多分。
こんなこと言う人だったんだ。
海斗くん…。
見た目は少しアレだけど、良い人だと思ってた。
いや、きっと何か訳があるに違いない。
「まぁ、そーゆー事なんだー!名前、なんてゆーのぉ?」
ひとりの男子が女の子みたいな子が甘ったるい声で話す。
「篠月……麗」
「麗ちゃんかぁー…。いいなー。可愛いなー!」
その子はあたしの手を取る。
……ますます訳が分からない。