Entre nous
こんな部屋に居て、あとでクラスの女子達から変な事を聞かれるのもごめんなのだ。
誤解も作りたくはない。
「彼女」だって?
最初こそ意味が分からず動揺していたが…
苛立ちが募ってくる。
ふざけるな。
あたしは一人で大人しく居たいのだ。
なので、あたしは、あたしの手を握る、女々しい顔だけにしか取り得が無さそうな馴れ馴れしいその男子の手を振りほどく。
その子は驚いて目を丸くしてあたしを見ていたが、迷惑だし困るんだ。
こういうのは。
あたしは、キッと効果音がつきそうなほど、海斗くんを睨み付けた。
海斗くんは、ちょっとそんなあたしに怯えたような反応を返す。
こういう冷やかしはやめてほしい。
あたしは何も言わず、足早に部屋から出て行った。