お前はもう、俺のモノ。



どうした、とは言えなかった。


なにが、とは聞けなかった。


聞いてもよかったけど、聞けなかった。


健斗が“なにか”に怯えを見せていたから。


健斗の悩むトコなんて、初めてで。


“なにか”がありそうな健斗からは、なにも聞けなかったし、なにも言えなかった。


そのかわり、HRが終わるまでじい~っと転校生を眺め続けた。







すぐそこに、迫っていた。


悪夢よりも酷いモノが。


俺と、俺の大事な人が傷付く。


それを誰よりも早く気付いたのは、健斗で。


俺たちも、うすうすと気付いていた。


その変化に。


そう。


全ては転校生が––––––––




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