[中]余命24時間
『思わず手を握ってしまったお詫びがしたい』、と言いながら。
正直お詫びとかどうでもよかったけれど、丁度お腹がすいていたあたしは、腹の虫に負けてしまった。
ファミレスでは少し遅いお昼ごはんをおごってもらい、デザートのパフェまでごちそうになった。
あたしはフルーツパフェで、翔は生クリームパフェ。
男の人がパフェを食べるイメージがなかったあたしは、『美味しい!』と笑顔の彼に、不思議な感覚を覚えた。
パフェを食べている最中、翔はあたしに意外な問いかけをした。
『なあ、里村さ。オススメのケータイ小説ってない?
あんま話題になってないやつで』
ほっぺについたクリームを指でこすりながら、その見た目からは想像もできない質問をする翔。
…ケータイ小説?
あんまり話題になってないやつ?
それを、この人が読むの??
あたしの頭の中には、果てしない疑問が底を知ることなく広がった。