[中]余命24時間


『お前すごくね?ほかには?』



子供みたいに、目を輝かせて。

身を乗り出しながら、あたしの話に食いつく翔。


アドレスを交換したのは、その時だったと思う。


『もっと面白いケータイ小説を知りたいから』って。


最初はそんな理由だったけど、メールの内容はだんだん別の話になっていって…。


意外な一面を知るたびに、気持ちは増していって、告白したのは去年の秋。


生まれて初めての告白は、心臓がこれでもかってくらい暴れてたけど、翔が微笑んでくれたときは最高に嬉しかった。


あの笑顔を、あたしは一生忘れないと思う。



――――――――…
――――――…





「…どうした?」



翔は、しばらくしゃべらなかったあたしを気遣って、声をかけてくれた。



「…思い出してた」

「思い出してた?」



豆電球さえもつけずに、むしむしとした空気が漂うあたしの部屋を、

ほんのりと輝く月の光だけが包んでいた。


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