[中]余命24時間
どうしてあたしがこんな運命を背負わなくちゃいけないの?
どうしてあたしが死ななくちゃいけないの────…?
プルルルルルル…
プルルルルルル…
おかしいな。いつもなら、2コールで出てくれるのに。
こんなあたしのこと、嫌いになったのかな。
愛想尽かしちゃったのかな。
プルルルルルル…
プルッ……
『美音(みのん)?』
受話器から聞こえる、愛しい人の声。
その声に安心してしまって、一度は止まったはずの涙が再び溢れてしまう。
「…翔(かける)…?」
病院を出たあと、あたしとお母さんはまっすぐ家に帰った。
車の中でも家についてからも会話はなく、それが余計あたしに現実を突きつける。
そして、1人じゃどうすることも出来なくて、翔に助けを求めてしまった。
『どうした?
声かすれてるけど…何かあった?』
いつだって翔は優しい。