私の中で男になって
向こうからトラックの音が近づいてくる


ヘッドライトが辺りを明るく照らす

私と翔君もそのヘッドライトの中に入る

それでも翔君はキスをやめようとはしない

いつもだったらすっごく人目を阻む

こんなキスしてるところ誰かに見られたかもしれない
のに



いつもと違ってこんな激しいキスを

誰かに見られててもやめなかったのは

気が変わったから?気がつかなかったから?

それとも

私とのキスのほうが世間体より勝っていたから?



誰かにこんなキスを見られたのに私はドキドキが増す
ばかりだった

恥ずかしさのドキドキが

翔君とのこのドキドキと混ざり合って

遊園地にいたときより何倍も体が熱くなっていた





キスをする翔君もどんどん息が荒くなっているのがわ
かる

時々漏れる翔君の吐息が私の耳に触れて

また私は翔君を求める




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